中古マンションリノベ⑤「無印良品のリノベーション」の魅力とデメリット

「中古のマンションのリノベーション」にターゲットを絞った我々。無印良品が好きなので、「無印良品のリノベーション」をとりあえず第一候補として検討し、実際に話を聞きに行きました。

この記事では「無印良品のリノベーション」の魅力とデメリットをお話します。

2023年の情報を書いています。最新の情報は公式へ確認してください。

基本はフルリノベーション(スケルトン)。

公式サイトは以下↓。

マンション向けのリノベーションです。スケルトンにしてリノベーションします。また、こちらからは公式のリノベーション事例がご覧になれますよ。

なお、有明店では部分リノベができるのですが、本記事では触れません。

価格

2022年に私が聞いた感じだと70m2のマンションでだいたい1200万円くらい。最小でこれというわけでなく、平均的にはこのくらいに落ち着くかなという感じだそうです。やや高めですが、これは後述するいろいろな理由があります。ちょっと厳密なことはわかりませんが、絶対的な価格は高いけど、施工内容的にはだいたい適正な価格なのかなという印象です。

ちなみに昔はもう少し安かったようです(2019年)↓

一般的な中古マンションのフルリノベーションの平均単価は1平米あたり15万円程度。しかし、『MUJI INFILL 0』のベーシックプランでは、70平米あたり800万円(1平米あたり11~12万円)を単価目安としている。

「もちろん、仕様をグレードアップしたり、間仕切りを作るなどのご要望を採り入れていくと、70平米あたり900万円~1000万円になるケースもありますが、お客様からは概ね“想定していたよりも予算を抑えることができた”との感想をいただいております。何より“無印良品ブランドへの安心感があるから選んだ”と言っていただける瞬間は嬉しいものです。

https://www.homes.co.jp/cont/press/reform/reform_00783/

値上がりした理由は私にはわかりません。

特徴

一室空間。家具や引き戸で仕切る。

https://house.muji.com/life/resident/muji-infill0/i-220111/

無印良品のリノベーションでは「暮らしの変化にあわせてフレキシブルに間取りを変えられる一室空間」を推奨しています。上の画像はリノベーション事例ですが、間仕切りが少なく広々とした空間です。奥の方に寝室やウォークインクローゼットがあります。

公式のページに載っている別物件の間取りの例。66m2です。まずは二人暮らしの例。

https://www.muji.net/renovation/home/

リビングは可動式の畳。玄関すぐにクローゼットを兼ねたワークスペースがあるのが特徴ですね。これだと1LDK扱いになるのかしら。

続いて3人暮らしの場合。

https://www.muji.net/renovation/home/

リビングだったところを引き戸で区切って、さらに家具(ユニットシェルフかな)で区切ることによって、個室とWICにしています。そしてワークスペースだった場所をリビングに。もともとのWICにあった収納を寝室に持ってきています。

まるで無印良品のユニットシェルフのように、暮らしにあわせて変えられる。それが無印良品のリノベーションです。

断熱性能にこだわったハイスペック住宅

かなり断熱性能にはこだわっています。使っている断熱材はグレードの高い「フェノール樹脂断熱ボード」。また、マンションの断熱における急所である窓に関してはインナーサッシが必須です。

これがコストが高くなる要因のひとつではあります。特に1階や最上階、角部屋なんかは断熱材をたくさん使うので、特にコストが高くなりますね。

ただ、玄関ドアに関しては断熱性が低くてもいじれないことが多いので、玄関周りは寒いかも?と思うのですがどうなんでしょうね。

オリジナルの設備類

オリジナルで色々作っていて、これがかなり魅力的です。

オリジナルのキッチン

https://www.muji.net/renovation/infill0/

キッチンはオリジナルデザインで2種類くらい。美しいですねえ。画像の「箱型キッチン」は恐らくキッチンハウスが作っているもの。なお、コンロや水栓はオプションで色々選ぶことができますよ。

洗面所や風呂もオリジナルデザインだったかもしれませんが、忘れました。

オリジナルのアクセサリー・建具

本文④
https://www.muji.com/jp/ja/shop/046625/articles/department/597821

これも無印良品の魅力ですねえ。ドアノブやフック、トイレのペーパーホルダーに、タオルかけ。アルミのマットな質感で洗練されたデザイン。まさに「ありそうでなかったデザイン」というやつです。

これらのアクセサリーは単独でも販売しているのですが、デフォルトでこれらのアクセサリーがついてくるのはやはり「無印良品のリノベーション」のメリットでしょう。

https://house.muji.com/life/resident/muji-infill0/i-170718/

キッチンなど雑然とした場所を隠せる半透明の引き戸も無印良品ならでは。

床や壁などの仕様

突板・挽板のフローリング

現状、最もマンションで使われるフローリングは「シートフローリング」という木目を印刷したフローリングですが、無印良品は本物の木を薄くスライスしたものを合板に貼り付けた「突板フローリング」です。3つくらいグレードがあるようですが、すべて突板か挽板のようです。ちなみに無垢材は使えなかったと思います。また、表面の処理はメンテナンスフリーの塗装と言ってましたのでUVか何かだと思います。

また、トイレや洗面所などの水回りにも同じフローリングを使うというのが「無印良品のリノベーション」の特徴的なところです。水回りはフロアタイルやクッションフロアを使う業者が多いので、これは賛否分かれそうですね…。強制なのかどうかは知りません。

壁は塗装

壁は白の塗装です。壁紙よりも格段に質感が良いです。一般に塗装は壁紙よりも価格が高いのでこれもコストアップ要因のひとつ。

二重床

これもコストアップ要因のひとつですね。水回りの自由度を上げるためか、フルフラットを実現するためか、二重床を基本としています。

元が直床の場合は天井が下がってしまうので、物件の選択肢は狭まることになりそうです。(ただし、二重天井の場合は直床に変更して天井を上げることもできるようです)

その他

その他のメリットとして、スタッフが無印良品の商品に精通しているので、無印良品の家具や収納用品を使ったインテリアコーディネートが得意ということがあると思います。無印良品が好きな方には嬉しいのではないでしょうか?

デメリット

自由度が低い!

一般的なリノベーションを知っている方はおわかりかもしれませんが、「無印良品のリノベーション」は自由度がかなり低いです。キッチンも無印良品が用意したキッチンから選ぶ。風呂も洗面所も。パナソニックやリクシルの高機能なキッチンが欲しいと思ったって、それは難しい。(不可能ではないと言ってたような気もしますが、例外的)コンロや水栓だって無印良品が選んだオプションから選ぶ形となる。あれこれこだわりたい人には向いてない。フローリングも無垢材のフローリングでオイル塗装にしたい人もいると思いますが、突板(+挽板?)しか選べず。

つまり、どうやっても「無印良品」ぽくなりますので、

  • インダストリアルな雰囲気にしたいとか
  • カントリーテイストにしたいとか
  • 派手な壁紙を貼ってみたいとか

そういうのは難しいです。(できることもあるかもしれないのでぜひ相談してみてください)

あと私が気になるのは

  • Ⅱ型やL字型のキッチンは採用できるか?
  • キッチンの色は白以外にどんな選択肢があるか?
  • 水回りの床はフローリング以外を選択可能か?
  • 施主支給に制約があるのではないか?

です。気になる方は契約前に問い合わせたほうがよいかもしれません。

「天井が高くないマンションなので直床のままリノベしたい」という人もいると思います。(天井高の標準は2m40cmで、これより低くなるのは微妙という風潮がある)。しかし、無印のリノベを利用する場合は、絶対に二重床にしなければならないようです。天井が低くなるのを許容できなければ、選べる物件に制約が加わるということでもあります。

ただし、これはメリットと表裏一体でもあります。初めから変な選択肢がないので、ベーシックプランでも洗練された雰囲気になる。無印良品でリノベーションする=おしゃれになるというのは素晴らしい。

キッチンのショールームなんか回っていると、オプションが無数にあって、水栓や天板の色や扉の面材や取手を選べますが、もう選ぶのが大変すぎるし、扉の面材なんか正直ダサいのもたくさん混じっていて少し誤ると残念な感じになることもある。その点、無印良品でリノベーションすれば、そういったリスクは極めて低い。

ですので、無印良品でリノベーションされる方はこのデメリットとメリットを十分考慮したほうがよいかと思いました。一応補足すると、無印良品でもいくつかオプションは用意されています。キッチンでいうと、コンロや水栓のグレードはオプションで色々ありました。風呂もホッカラリ床がオプションとして用意されていたり、浴室乾燥機もオプションだったと思いますね。公式のリノベーション事例を参考に見てみると良いと思います。

価格が高い

上述したように70m2で1200万円くらいとややお高めです。1000万円くらいでもフルリノベできるはずです。もちろん断熱材やインナーサッシ、二重床など比較的ハイグレードなリノベではありますが、その差額をどう考えるか?です。

不動産仲介は外注で、無印っぽくないひとたち

物件の購入からリノベーションまで一貫して行う「ワンストップ」のサービスを展開していますが、不動産仲介は外注しています。

要するに、無印良品のリノベーションに物件の紹介からお願いする場合、物件を案内してくれたり、物件の購入を仲介してくれるのはムジハウスと提携する不動産会社ということになります。つまりぜんぜん違う会社です。

この仲介の方が、がっつり営業!て感じで、「どうにかして買ってもらおう」ってなオーラ満載で対応してくるので辟易しました。(リノベ会社によってはお抱えの不動産仲介の方が所属されているパターンもあります。)

実際、物件を回るときや、その後の検討の段階でも何度も質問や相談をしたりするわけで、こちらの意図を汲んでいない適当な回答をされる場面が多々ありました。(もちろん人によるとは思いますが。)

また、不動産仲介との顔合わせのときに「中古マンションを買うためのセミナー」みたいなのを30分くらいやるわけですが、これを中古マンションを買ってもらうための胡散臭い内容(セールストーク)です。例えば、

  • 中古マンションは築20年を超えると価格があまり下がらなくなる(将来の築年数と価格の関係なんて誰もわからないでしょ・・・)
  • 首都圏のマンションであれば今後20年は大きな値下がりは気にしなくていい(相場が読める人なんていないでしょ・・・)
  • 家を買っていれば資産になる(負債としての側面も・・・)

正直こういうセミナーは外注でおまかせするのではなく、ムジハウスで責任を持って作成するべきだと思いました。

まとめ

以上、「無印良品のリノベーション」についてご紹介しました。簡単にまとめると

  • 家具や引き戸で仕切る一室空間
  • 断熱性能にこだわったハイスペック住宅
  • キッチンなどオリジナルの設備類
  • その他洗練されたディテール
  • 自由度が低い点がデメリット(ただしメリットでもある)
  • 価格は高め
  • 不動産仲介は外注で無印っぽくない

ということでした。皆様の参考になれば幸いです。







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